2007年9月16日、東京で街頭演説する自民党(Liberal Democrat Party)総裁選候補者、福田康夫(Yasuo Fukuda)元官房長官(左)と麻生太郎(Taro Aso)前外相。(c)AFP/Toru YAMANAKA
【9月16日 AFP】小泉純一郎(Junichiro Koizumi)元首相は「自民党をぶち壊す」と豪語した。安倍晋三(Shinzo Abe)首相は新時代を切り開くと明言した。しかし今、与党・自由民主党(Liberal Democratic Party)は、手堅い手腕が期待される人物を推して難局を乗り切ろうとしている。
52歳で初の戦後生まれの首相となった安倍首相は、国際舞台でより大きな役割を担おうとする日本の新しい顔になるとみなされていた。ところが、1年に満たない首相在任中に相次ぐ閣僚の不祥事と支持率の急落に見舞われ、辞任表明に追い込まれた。
自民党内では後任の総裁に福田康夫(Yasuo Fukuda)元官房長官(71)を推す空気が広がっている。対する候補者はタカ派的な安倍首相の路線に近い麻生太郎(Taro Aso)幹事長(66)だ。
福田氏は、各派閥との根回しに長けた旧世代の政治家とされ、敗戦による負の遺産を払拭することについてはそれほど積極的ではないとみられている。
福田氏は、改革色の強い安倍首相や麻生氏よりも、外交や経済の面で旧来の自民党に近い政策を取るだろうとテンプル大学(Temple University)ジャパンキャンパスのフィル・ディーンズ(Phil Deans)教授は解説する。
福田氏はアジアを、麻生氏は米国を重視するという違いがあるものの、両氏はいずれも、経済、外交で中道的な政策をとると見られている。
元首相を父親に持つ福田氏は、アジア諸国との関係強化の重要性を強調し、中国とも緊密な関係を築くと見られる。中国、北朝鮮、韓国が日本の軍国主義の象徴とみなす靖国神社(Yasukuni Shrine)を小泉前首相が参拝した際、福田氏は前首相を批判している。福田氏は15日、靖国神社に参拝しない意向を明らかにした。
安倍首相は「美しい国、日本」というスローガンを掲げ、憲法改正など自身の保守的な政治信条に基づいた一連の政策を推進した。また従軍慰安婦問題では旧日本軍による「狭義の強制性」を否定し、アジア諸国の怒りを買うという出来事もあった。
しかし、有権者が重視していたのは雇用や年金など身近な問題だった。7月の参院選で自民党は歴史的大敗を喫し、参院で過半数を割ってしまった。
ディーンズ教授は、安倍首相の後継者は自民党の方針を転換し、経済、年金、高齢化などの生活に密着した問題に再び焦点を当てることになるだろうと話し、こう付け加えた。「問題は、これらはいずれも解決するのがとても、とても難しい課題だということだ」
ある外資系証券会社のストラテジストは、福田氏は財政再建と、対米・対中関係のバランスに配慮した柔軟な外交・防衛政策を強調する一方、麻生氏は、積極財政を提唱し、安倍前首相に近い、日本の立場を明確に主張する外交を目指していると指摘。投資家は福田氏に小泉元首相のような大胆な経済政策を期待できないとしながらも、福田氏の方がやや望ましい候補者だと考えているようだと述べた。(c)AFP










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