【9月12日 AFP】(一部更新、写真追加)安倍晋三(Shinzo Abe)首相が12日、正式に辞意を表明した。7月の参院選では相次ぐ閣僚の不祥事などが響き大敗、勢力を拡大した野党からは改革路線に対する理解を得られないという状況の中、就任わずか1年での退陣表明となった。

 安倍首相は同日午後、記者会見を開き、「改革を止めてはいけないと続投を決意し、全力で取り組んできました。本日、小沢党首に党首会談を申し入れ、私の率直な思いと考えを伝えようと。残念ながら、党首会談については実質的に断られてしまったわけであります」「新たな総理のもとで、テロとの戦いを継続していく、それを目指すべきではないだろうか」と辞職の理由を語った。

 さらに、今後については、なるべく早く次の総裁を決めるよう指示したと語った。

 野党が安倍首相の改革や、海上自衛隊のインド洋での給油活動を継続するための根拠法の成立に異議を唱えるなか、安倍首相は政治生命を賭するとしてきた。

安倍首相は初の戦後生まれの首相で、「戦後レジーム」からの脱却を訴え、憲法改正を主張してきた。

 民主党(Democratic Party of Japan、DPJ)の小沢一郎(Ichiro Ozawa)代表は、新たに獲得した同党の議会内での力を利用して、米軍などに対する後方支援に反対する意向を表明していた。

 自民党が7月の参院選で大敗した後、安倍首相は経験豊かな人材を安倍政権の主要ポストに招き入れたが、1週間後に農水相が財務上の不正行為によって辞任している。年金制度の問題も重なり、支持率は急低下していた。(c)AFP