【9月10日 AFP】(一部更新)国外追放され約8年にわたり亡命生活を送っていたパキスタンのナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相が10日、滞在先の英国ロンドンから空路、パキスタンに帰国した。国内のテレビ局は、空港に到着した元首相の搭乗機がターミナルビルへ向かう様子を放映している。

 当初シャリフ元首相は、ガルフ航空(Gulf Air)機でオマーンの首都マスカット(Muscat)を経由してパキスタンに帰国すると伝えられていたが、側近らはAFPに対し、同元首相はパキスタン航空(Pakistan International AirlinesPIA)のイスラマバード(Islamabad)行き直行便で帰国すると語っていた。

 英国を出発する前、シャリフ元首相は「ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)という1人の男の政策によってもたらされた問題や無法状態を母国から取り除くという決意をもって帰国する」と語るなど、闘争的な姿勢を見せていた。

 ヒースロー(Heathrow)空港の広報担当者によると、シャリフ元首相が搭乗した航空機は当初、現地時間10日午前7時40分(日本時間同日午前11時40分)にイスラマバードに到着する予定だったが、乗客の1人が胸の痛みを訴えて救急車が出動したため、予定より約2時間遅れて同空港を離陸したという。

 一方、パキスタン国内では、9日に主要な空港で厳戒態勢が敷かれ、シャリフ元首相を支持する活動家数百人が拘束されている。(c)AFP/Danny Kemp