【9月3日 AFP】米大統領選で民主・共和両党の候補者を選ぶ予備選挙を4か月後にひかえ、各候補者は2日、激戦が予想されるアイオワ(Iowa)、ニューハンプシャー(New Hampshire)、サウスカロライナ(South Carolina)の各州に繰り出し、本格的な遊説を開始した。

 2008年11月の大統領選は、選挙資金が初めて10億ドル(約1160億円)を超える近年まれに見る激しい選挙戦になるとみられており、各候補者は今年に入って精力的に活動してきた。米国では従来から9月の第1月曜日の「労働者の日(Labor Day)」直前の週末が「選挙戦が始まる日」ととらえられており、各党の候補者らはこの日、指名争いに向けた選挙戦を本格化させた。

■ 舌戦を展開する民主党の各候補

 民主党有力候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員は、夫のビル・クリントン(Bill Clinton)前大統領を伴い、ニューハンプシャー州で「第一声」をあげた。

 クリントン氏と人気を二分する民主党有力候補のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は、クリントン氏とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は党利党略を優先していると非難。クリントン氏と同じく、今週はニューハンプシャー州とアイオワ州で遊説する予定だ。

 2004年に民主党の副大統領候補になった民主党候補のジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員は、アイオワ州で、米軍のイラク撤退を声高に訴える選挙運動を開始。「議会はイラク戦争を終結させる時だ」と演説し、イラク戦争の終結に向け有効な手だてを打てないクリントン、オバマ両議員を暗に批判した。

■ 共和党候補は週明けに本格始動

 一方、俳優で元上院議員のフレッド・トンプソン(Fred Thompson)共和党候補は、今週、アイオワ州を皮切りにニューハンプシャー州、サウスカロライナ州で遊説すると見られる。同氏は共和党候補の中では第2位の支持率を誇るものの、正式な立候補表明はまだしていない。

 同じく共和党候補のミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事は、自身が優位に立っているアイオワ州とニューハンプシャー州を、3日に遊説する予定となっている。(c)AFP/Stephen Collinson