2007年8月5日、米国アイオワ(Iowa)州デモイン(Des Moines)で次期米国大統領選挙の予備選のため第4回目の党内討論会に臨んだ米共和党候補者ら。(c)AFP/Justin Hayworth
【8月6日 AFP】次期米国大統領選挙に出馬している米共和党の有力候補らは5日、自分が選出された場合、パキスタン領内に潜伏する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に対し、武力攻撃を命じる大統領権行使の可能性を否定しないと語った。今月に入り、パキスタン領内への米軍部隊派遣を辞さないと発言した民主党側の候補、バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は批判の的となっている。
5日にアイオワ(Iowa)州デモイン(Des Moines)で開かれた第4回目の共和党候補者討論会でパキスタン領内での武力行使について中心的に発言したのは、同党の有力候補であるミット・ロムニー(Mitt Romney)元マサチューセッツ(Massachusetts)州知事と、ルドルフ・ジュリアーニ(Rudolph Giuliani)前ニューヨーク市長。米情報当局は、パキスタンとアフガニスタンの国境近辺の部族地帯にアルカイダの戦闘員らが潜伏していると推測している。
■ジュリアーニ氏、ほかに方法がなければ攻撃
共和党全国調査で最有力とみられているジュリアーニ氏は「ほかにアルカイダやタリバン(Taliban)を壊滅させる方法がないと判断すれば、またウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)を捕らえる方法がないと判断すれば、そうした行動をとる」と述べた。一方で、国境地帯での武力勢力掃討のためにさらにパキスタン政府に圧力をかけることで、結果が出ることを望むとも語った。討論会では「残念ながらパキスタンはこれまで、すべき努力を行っていないと思う」とも語った。
■ロムニー氏、オバマ氏を痛烈に批判
早期に予備選が行われる数か所の州で優勢を保っているロムニー氏は、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)パキスタン大統領に強硬姿勢を貫くよう説得してきた現政権の方針は正しいとし、パキスタン領内での軍事攻撃という選択肢は残しておくべきだとしながらも、その場合は「静かに」進めるべきだと述べた。
さらにロムニー氏は、「米国の大統領に立候補しようという人物がテレビ放送で、"われわれはこれからあなたの国に一方的に進入するつもりだ”などと発言するのは間違いだ」と前週のオバマ民主党候補の発言に触れ、また米国政府が敵視しているイランや北朝鮮の指導者と話す用意があるとした同氏の発言も批判、「彼は1週間で(反戦運動家でハリウッド女優の)ジェーン・フォンダ(Jane Fonda)から、(核戦争を描いた風刺映画に登場する異常な科学者の)ストレンジラブ博士(Dr. Strangelove)」へと飛躍してしまった」とやゆした。
■劣勢のマケイン氏、候補者に冷静な対応を求める
一方で、一時期は共和党候補者の先頭を走っていたものの、最近の支持率が振るわないジョン・マケイン(John McCain)上院議員は、パキスタン領内における軍事行動に警告を発した。「熟考もしないでパキスタンを攻撃するつもりだなどと発言するのは単純すぎる。ムシャラフ氏が政権を追われたらどうなるか。われわれが攻撃することによって、イスラム原理主義政権が誕生したらどんなことになるか」と冷静な思考を求めた。(c)AFP