【8月2日 AFP】米民主党の次期大統領有力候補バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は1日、大統領に選出された場合、パキスタンの国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に対し、同国政府の反対に関わらず攻撃を命じる用意があると語った。

 オバマ議員はまた、自らの対テロリズム戦略を提示する演説のなかで、アフガニスタンに対する10億米ドル(約1190億円)の非軍事の追加援助を提案。

 さらに、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領に対しては、アルカイダ幹部のせん滅作戦に踏み切らず、テロとの戦いを台無しにしたと非難した。この発言は、2005年のアルカイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者を含む幹部に対する秘密攻撃に関するもので、米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、米国はパキスタンとの関係を考慮して攻撃を見送ったとされる。

 この大胆な演説は、パキスタンの部族地域でのアルカイダの再編成を指摘した米情報機関の報告書に応えるかたちで行われたもので、オバマ議員の外交政策に対する支持を広げ、経験不足との批判を意識してのものだと見られている。

 オバマ議員は、パキスタンに対する数億ドル規模の軍事援助を行う可能性にも言及。その条件として、アルカイダのキャンプの閉鎖、外国人兵士の国外退去、イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)によるアフガニスタンへの越境攻撃の中止などを挙げた。(c)AFP