【7月9日 AFP】国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)は9日に開かれた特別理事会で、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で合意された「初期段階措置」である同国の核施設の停止・封印を監視するため、査察団の派遣を承認した。IAEAの核査察要員が北朝鮮入りするのは2002年以来、約5年ぶり。

 加盟35か国の代表によるIAEAの特別理事会は1日の日程で、ウィーン(Vienna)のIAEA本部で行われた。出席した欧州各国の外交官は「行く手に問題は何もない。誰もが満足だ」と語った。

 同日の承認を受け、10日以内に北朝鮮へ派遣されるとみられるIAEAの査察団は9人。査察団は2002年、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン、Yongbyon)の重水炉を再稼働し、核兵器開発計画を再開した際に国外追放された。寧辺には重水炉のほか、再処理プラントや使用済み核燃料の貯蔵施設などがある。

 前週、モハメド・エルバラダイ(Mohamed ElBaradei)IAEA事務局長が理事会メンバーに発表した6月の査察報告書によると、北朝鮮政府はIAEAへの広範な協力に合意しており、寧辺への監視カメラその他の持ち込みも許可するとしている。

 IAEAは今回派遣する査察団の帰還後も、寧辺に査察官2人を常駐させたいとしている。(c)AFP/Michael Adler