【7月1日 AFP】久間章生(Fumio Kyuma)防衛相は1日、長崎県で記者会見し、米国による広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言したことについて、陳謝した。

「被爆者を軽く見ているかのような印象に取られたとすれば申し訳なかった。長崎、広島、全国の皆さんに大変申し訳なかった」

 同防衛相は6月30日、千葉県の大学で講演し、「(原爆で)本当に無数の人が悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今しょうがないなと思っている」と述べた。

 久間防衛相の発言に対しては、与野党双方から非難が集中した。7月29日の参院選に向け、安倍晋三(Shinzo Abe)首相が国民の支持を得ようと奔走している最中の発言だった。

 最大野党民主党の松本たけあき(Takeaki Matsumoto)政策調査会長は1日、テレビの討論番組に出演し、「原爆の犠牲者として、いかなる状況でも絶対に核兵器を正当化してはいけない」と発言した。

 社民党の阿部知子(Tomoko Abe)衆議院議員は同番組で、「(久間防衛相は)防衛大臣として失格だ。辞任を要求する。安倍首相にも任命責任がある」と指摘した。

 一方、久間防衛相は辞任する意志はないという。(c)AFP