【6月28日 AFP】韓国国防省は28日、北朝鮮による前日のミサイル発射は新型の弾道ミサイルの実験とみられると発表した。

 同省は声明で、27日のミサイル発射は実戦配備されていない開発中の新型ミサイルの発射実験とみられ、射程100キロ程度の地対地ミサイルおよび地対艦ミサイルがそれぞれ日本海と黄海に落下したと発表した。3発のミサイルが発射されたとする報道に関しては確認を避けた。
 
 北朝鮮には26日から国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)の査察団が入国しており、寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)にある核施設の査察を約5年ぶりに実施しようとしていた矢先の発射だった。

 米国家安全保障会議(US National Security Council)のゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)広報官は北朝鮮に対し、北東アジアの安全保障を揺るがす「挑発的な弾道ミサイル発射」をこれ以上実施しないよう強く求めた。また「6か国協議の進展において微妙な時機に、北朝鮮がミサイルを発射する決断を下したことを米国は深く憂慮する」と述べ、今回のミサイル発射は、北朝鮮に同様の行為を禁じた国連決議に反すると非難した。

 また、安倍晋三首相は28日、国際社会は今回の発射に対し厳しい対応をしなければならないと記者団に語り、「北朝鮮は国際社会の懸念に応えなければならない。ミサイルを発射するよりも国民生活の向上に力をいれるべきではないか」と述べた。

 一方、中国の反応は控えめで、北朝鮮の核開発計画の放棄させることを目指す6か国協議の進展に向けた努力を継続するよう呼び掛けた。

 韓国の一部の専門家は最近、2006年10月に初の核実験を実施した北朝鮮が、新たな長距離ミサイル実験を準備している可能性を指摘していた。(c)AFP