【6月28日 AFP】27日、中東和平に取り組む4者協議の特使に、英首相を退任したばかりのトニー・ブレア(Tony Blair)氏が任命された。

 約10年にわたり英首相を務め、元財務相のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)氏に政権を移譲したブレア氏の中東特使への任命は、国連(United NationsUN)と米国によって発表された。

 欧州連合(European UnionEU)、ロシア、国連、米国からなる4者の代表は26日、エルサレム(Jerusalem)でブレア氏の任命について協議した。EU特使のMarc Otte氏が、ロシアの意見が一致せず要請が遅れていると示唆したことを受け、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相はパレスチナ自治区のヨルダン川西岸(West Bank)ラマラ(Ramallah)で、ブレア氏の任命に反対しない姿勢を見せた。

 首相として最後となる国会での演説でブレア氏は、「中東に安定と平和をもたらす唯一の方法として、国際社会では既に認知されている、イスラエルとパレスチナの2国家構想を実行することが最優先課題だ」とし、構想の実現により「治安が確保されたイスラエル、そして領土だけでなく社会制度や統治が実現されたパレスチナ」を目指すと語った。

 ブレア氏は、米国主導のイラク侵攻を支援し英軍を派遣したことで国民の支持を失い、首相としての最後の数か月はパレスチナ問題の解決に力を注いできた。

 中東特使の職務は、2006年5月にジェームズ・ウォルフェンソン(James Wolfensohn)元世界銀行総裁が使命半ばで退任してからは空席のままだった。(c)AFP