【6月27日 AFP】米下院外交委員会で26日、従軍慰安婦問題をめぐり、日本政府に公式に謝罪を求める決議案が賛成39、反対2で可決された。これに対し日本政府は27日、この圧力に屈しない態度を表明した。

 決議案が可決されると、韓国の元慰安婦など委員会室に集まった人々の間に大きな拍手が起こった。決議は7月中旬にも本会議で表決される見通し。

 塩崎恭久(Yasuhisa Shiozaki)官房長官は27日午前の記者会見で、「政府の立場は4月の安倍首相訪米(の際のおわび表明)を含めて明らかにしている。付け加えることはない」と述べた。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は3月、「第2次世界大戦中に旧日本軍がアジア各国で強制的に女性を連行した証拠はない」と語り、物議をかもしている。同首相はその後、従軍慰安婦問題について謝罪した1993年の「河野内閣官房長官談話」を継承する立場を強調。4月後半の訪米時には、元慰安婦の女性らに対し「心から同情する」と語った。

 安倍首相は決議案の可決による日米関係への影響について聞かれると、「訪米した際にわたしの考えは述べている。日米関係は揺るぎないと確信している」と述べた。

 ただ、安倍首相が当初の発言を撤回していないことに対する批判は根強い。国会議員44人は14日付のワシントン・ポスト(Washington Post)紙に、「第2次世界大戦中に日本軍によって強制的に従軍慰安婦にされたことを示す歴史文書は存在しない」と訴える全面広告を出した。(c)AFP