2007年5月29日、アイオワ大学(University of Iowa)のMedical Education and Biomedical Research Facilityにて演説する米大統領選民主党候補、イリノイ(Illinois)州選出のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員。(c)AFP/Getty Images Scott Morgan
【6月6日 AFP】米民主党の大統領選候補バラク・オバマ(Barack Obama)氏は5日、1992年ロサンゼルスで起きた暴動に匹敵する「静かな暴動」がアフリカ系アメリカ人の間に形成されつつあると警告した。
米国初の黒人大統領を狙うオバマ氏は、15年前にロサンゼルスで暴動を引き起こした絶望と怒りが、ハリケーン「カトリーナ(Katrina)」が2005年にニューオーリンズ(New Orleans)を襲うと、再びあらわになったと述べた。
「ここにいる多くの大臣は暴動が一夜にして発生したのではないことを知っている。ロサンゼルスにおいて高まった「静かな暴動」は、何年もかけてこの国全土へ広まったのだ」
「あなたがシカゴやバトン・ルージュ(Baton Rouge)、ハンプトン(Hampton)の街角へ行ったことがあるならば、崖っぷちの人生以外に何の希望も持たず、奇跡や運命も期待しない若者達を見かけただろう」
2008年の大統領選の多くの世論調査で、民主党最有力候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)についで2位のオバマ氏は、選挙遊説で声高に人種問題を訴えることはあまりない。
アフリカ系アメリカ人有権者の獲得は、民主党代表指名選に欠かせないものとみられている。
オバマ氏は選挙戦の中で、「静かな暴動」は孤独に慣れ、希望が失われてしまうとき、アメリカ全土で毎日起きるのだと述べた。
「15年前にわれわれがテレビで見たのは、この国が決して完全には受け入れることのなかった悲劇的な歴史が生んだ悲劇的な遺産が、延々と続き、進行し、まん延したロサンゼルスだった」
「この絶望は音を立てることなく煮えたぎり、強固なコミュニティー、地域の形成を不可能にする」
「そしてある日の午後、陪審が「無罪」を言い渡し、あるいはハリケーン・カトリーナがニューオーリンズを襲う。そしてこの絶望が世界に明らかにされるのだ」
1992年、黒人のロドニー・キング(Rodney King)さんを殴打する姿がビデオに映っていた4人の白人警官に陪審が無罪を言い渡すと、ロサンゼルスでは激しい暴動が4日間続いた。
オバマ氏は、ロサンゼルスの暴動をもたらした状況は米国にいまだまん延していると述べた。
「ハリケーン・カトリーナが発生したとき、ガルフ・コースト(Gulf Coast)沿いで、ニューオーリンズで何が起きたのか見てほしい。人は私に連邦政府の対応があれほどまでに遅かったのは人種のせいだと考えたかと聞く。私は、『いや、この政権は無能にも人種偏見がなかった』と答えた」
「しかしここにいる皆さんは、災害や貧困はカトリーナが起こるよりもずっと前から起きていたことを知っている」
「この災害は、何世代にもわたって何が起きていたのかを如実に表したのだ」
巨大な竜巻がニューオーリンズに接近した時、白人富裕層は避難したが、何千人もの貧しい黒人達は取り残され、洪水が街を飲み込んだ時も避難出来なかった。(c)AFP




