【6月2日 AFP】米政府は1日、「1989年の天安門広場(Tiananmen Square)の民主化運動に参加した」ことを理由に現在も身柄を拘束されている人々を釈放するよう中国政府に要請した。
 
 国務省のトム・ケーシー(Tom Casey)副報道官は18周年にあたり、事件を「残忍で悲劇的」と表現する声明を発表した。

 「2008年の五輪開催が近づくにつれ、国際社会の中国に対する目は厳しくなる。米国は、中国政府に対し、天安門事件の再調査や受刑者の釈放を進め、被害者家族の苦しみを減らすよう要請する。こうした対応をとり、国際的に認知された基本的自由を保護することで、中国政府は『イメージ向上』という目的の達成に近づくだろう」と声明は指摘。

 さらに「中国政府当局は天安門広場で発生した抗議活動と、その後の大量虐殺に関する基本的事実を隠し続けている。中国国内や世界中の多くの人々は、数千人の活動家が逮捕され、裁判を受けることもなく刑を言い渡されたことや、現在も約100人から200人の元活動家が拘束されたままだという事実を知らされていない。政府は、死亡者や被拘束者、行方不明者についての説明責任を怠ってきた」と指摘した。

 18年前、天安門広場で6週間にわたり続いた民主化運動の後、事態収束をはかることを命じられた人民解放軍が6月4日、突入し多数の活動家が死亡した。同事件は現在も、中国における最も微妙な政治問題の1つ。

 同事件をめぐり中国政府は、軍により多数の死亡者が発生したという報道を繰り返し否定。中国経済の成長と安定を確保するために必要な措置を講じたと主張している。(c)AFP