【6月2日 AFP】先のフランス大統領選決選投票でニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)候補に破れた社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)元環境相の従姉妹が1日、地元のワイン製造業を支持する一風変わった抗議活動を行なった。

 フランス全土で6月に行なわれる総選挙に、社会党大統領候補だった従姉妹と異なり極右政党・国民戦線(FN)から出馬するアンヌ・クリスチーヌ・ロワイヤル(Anne-Christine Royal)候補は、フランス南西部にあるリブルヌ(Libournais) 地方の著名なブドウ畑の木に自分の体を縛り付けた。同地方は、サン・テミリオン(Saint Emilion)やポムロール(Pomerol)など、ボルドー(Bordeaux)の高級ワインの産地。

 欧州連合(EU)によるフランスのブドウ栽培農家への「破滅的な政策への怒りを表す抗議行動」とロワイヤル候補の選挙運動責任者は説明する。

 防水シートで雨をしのぎ一夜を明かす決意のロワイヤル候補は、抗議行動終了後に記者会見をおこなう予定という。

 事前にこの計画を知らされなかった敷地所有者のブドウ農家も、フランスのワイン輸出業者が抱える問題に注目が集まるのならと、同候補の抗議行動にその場で同意したという。

 オーストラリアやチリなどのワイン新興国が新技術の導入を進めてきたことで、フランスのワイン業者はこのところ苦戦を強いられてきたが、フランスワインは最近、再び世界市場の優位性を取り戻す兆しを見せているという。

 一方、5月の大統領選で敗れた従姉妹のセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相は、6月10日および17日に投票が行なわれる総選挙では社会党の顔として活動はするものの、国会議員に立候補はしないという。(c)AFP