【5月29日 AFP】首都アブジャ(Abuja)で30日、ウマル・ヤラドゥア(Umaru Yar’Adua)新大統領(55)の就任式が開かれる。1960年の英国からの独立以来初めて、直接選挙による大統領交代が実現する。

 2期8年間を務めたオルセグン・オバサンジョ(Olusegun Obasanjo)現大統領の後継者となるヤラドゥア氏は、世界で最も腐敗した国の1つといわれるナイジェリアが抱える「汚職」という大きな問題に加え、進まない民主化、劣悪な生活環境といった問題と向き合うことになる。

 石油産出国でもあるナイジェリアは、国際監視機関トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)の調査でも最も腐敗した国ランキングの常連だ。最近の報告書によると、1960年の独立以来、国庫の使途不明金は約4000億ドル(5760億円)に上るという。

 6人の子どもの父親でもあるヤラドゥア氏は、イスラム教徒が多数派を占める北部カツィナ州(Katsina)知事を8年間務めた。同氏の支持者は、そこでの優れた政治手腕が買われ、オバサンジョ大統領の後押しを得ることができたのだと指摘する。

 4月の大統領選挙で勝利を収めたヤラドゥア氏だが、選挙戦は不正疑惑に揺れた。海外の選挙監視団は、与党・国民民主党(People’s Democratic PartyPDP)が票を操作したとみている。

 アブジャのEagle Squareで開かれる就任式には、大統領選に対する批判にもかかわらず世界各国の代表や大使、政治家、党支持者が集まるとみられる。(c)AFP/Joel Olatunde Agoi