写真はワシントンD.C.で行われた選挙活動でヒラリー候補の演説に耳を傾けるクリントン元大統領。(c)AFP/Nicholas KAMM
【ワシントンD.C./米国 20日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員の大統領選ライバルたちにとって、このところ世論調査以上に気になるのが、日々その存在感を増している同議員の夫、ビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領だ。クリントン元大統領は強力な資金獲得能力を武器に、ヒラリー議員の大統領選挙勝利を決める「ワイルドカード」と目されている。
政権を離れて6年、表舞台への復活に強い意欲を見せるクリントン元大統領は、ヒラリー候補が初の女性大統領を目指すなか、どのような役割を果すことができるかを慎重に見極めようとしている。
■クリントン政権がヒラリー候補に与える影響
スキャンダルに見まわれつつも平和と繁栄が続いたクリントン元大統領の2期と、ヒラリー候補が抱く「大志」が相容れるかどうかは、次期大統領選挙に向けた動きの中で答えが出ていない問題の1つとなっている。
テキサス大学(University of Texas)オースティン(Austin)校のブルース・ブキャナン(Bruce Buchanan)教授は、「元大統領をどう扱うかは、極めて繊細な課題。重要なのは、間違った印象を与えることなく、いかに活用するかだ」と述べ、中核的な民主党員が多数を占める候補者指名では、同大統領の存在がヒラリー候補に有利に展開しうるとの見方を示した。
一方、ライバルのバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員やジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員は、暗にクリントン政権のマイナス面について言及することで、国民の「クリントン疲れ(Clinton fatigue)」の兆候があるか探りを入れようとしている。
それでも、忠実な民主党員にとってクリントン元大統領はいまだに「英雄」だ。圧倒的な政治力を誇る元大統領は、民主党の大統領としてはフランクリン・D・ルーズベルト(Franklin D. Roosevelt)元大統領以降、久々に再選を果たした大統領となったからだ。
だがクリントン陣営は、表舞台における元大統領の輝かしい存在が、ともすれば単調とも取れるヒラリー候補の選挙戦手腕に影を落とさないよう万全を期する必要がある。また、ホワイトハウス実習生との「不適切な関係」に幻滅したことから、オバマ議員に新鮮味を感じる民主党員も少なくない。
■ヒラリー大統領による「夫の使い道」
クリントン元大統領は先週、選挙運動の一環としてインターネット配信されたビデオクリップに出演。このなかで元大統領は、ヒラリー候補を「マインド、ハート、リーダーシップの完璧な組み合わせ」と称えつつ、子供たちの擁護者、医療保険問題の活動家、かつてファースト・レディーとしての経歴を語っている。
ヒラリー候補の選挙活動では、元大統領は数百万ドルの資金獲得を支援することで、民主党内の存在感を誇示し続け、強い影響力を示していくと見られている。また、来年1月に始まる予備選および党員集会に向けた運動では、元大統領はヒラリー候補の強力な「代理人」となることも可能だ。
ヒラリー候補が大統領となった場合、米史上初となる「ファースト・ハズバンド(First Husband)」をどう使いこなしていくかの疑問もある。米国法は大統領の配偶者が閣僚となることを禁じているが、ヒラリー候補は元大統領を国際舞台における特命大使として起用する考えを示している。
写真はワシントンD.C.で行われた選挙活動でヒラリー候補の演説に耳を傾けるクリントン元大統領。(c)AFP/Nicholas KAMM









