写真はウィリアムズバーグで2日、英植民地時代の服装で歩く女性。(c)AFP/Timothy A. CLARY
【リッチモンド/米国 3日 AFP】英国のエリザベス女王(Elizabeth II)が3日、英国人による米国入植400周年の記念行事に出席するため、米国を公式訪問する。
同女王の米国訪問は16年ぶり。バージニア州(Virginia)訪問は、1957年の英国人入植350周年で同州ジェームズタウン(Jamestown)を訪れて以来50年ぶり。
6日間の日程を、緑豊かなバージニア州の州都、リッチモンド(Richmond)からスタートし、米国最古の立法機関である同州議会で演説を行う。
■競馬ファンの女王、ケンタッキー・ダービーを観戦予定
英王室が公表したところによると、7日には、エリザベス女王はホワイトハウスでジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領夫妻との晩さん会も予定されており、英米の歴史を振り返るとともに、科学、教育、技術などの分野での将来的な協力関係についても語り合う。
女王の訪問先のバージニア州では、数週間前にバージニア工科大学(Virginia Tech)で、教師、学生ら32人が犠牲となった乱射事件が起きたばかり。女王は、訪米中に犠牲者の追悼を行う予定としている。詳細はまだ明らかになっていないが、同大学を訪問する予定は含まれていない。
一方、熱烈な競馬ファンとしても知られるエリザベス女王は、5日に同州で開催されるケンタッキー・ダービー(Kentucky Derby)も観戦する予定。同ダービーの観戦は、かねてからの女王の望みだったとされる。
3日に女王が到着するリッチモンドのキャピタルクスエア(Capitol Square)では、ジャズやブルースバンドが女王を歓迎する。
「女王は外国人ではあるが、バージニアの人々は英国好きが多いから、女王は大人気だろう」と元企業弁護士のForrest Morganさん(65)は語る。
「エリザベス女王を一目見たいというリッチモンド市民があまりにも多いので、市当局は抽選を行ったほどだ」
実際、米国の他地域とくらべバージニア州は赤レンガの家並み、ガーデニングや競馬、キツネ狩りを好む人々など、英国との共通点も多い。
■入植者が築いたジェームズタウンの砦跡を初訪問予定
Morganさんは、ボランティアとして、4日にエリザベス女王夫妻も訪れる予定のジェームズタウンの砦跡など、市内の観光名所を案内している。
女王が50年前に同地を訪れた際は、入植者が上陸したジェームズ河河口に位置する同砦はまだ発掘されていなかった。
1607年5月14日、104人から成る植民団の人々が、スペイン人らの襲撃から身を守る安全な場所、また東方航路の拠点として、蚊の多い湿地帯の同地に要塞を築いた。
しかし、湿地帯であることから蚊が媒介する伝染病、飢饉(ききん)、干ばつに苦しむこととなった。一方、入植団の定住は、アメリカ原住民らの定住地を奪い、アフリカ人の奴隷制度をもたらすなど、負の遺産ももたらした。
フィリップ殿下(Prince Philip)は4日、英国人入植団の船、「スーザン・コンスタント(Susan Constant)号」のレプリカや、同船の船長、ジョン・スミス(John Smith)の銅像などを鑑賞する。
また、ティム・ケーン(Tim Kaine)バージニア州知事ら400人との会食後、ウィリアムズバーグ(Williamsburg)近郊のウィリアム・アンド・メアリー大学(College of William and Mary)を訪問する。1693年創設の同大は、米国で二番目に古い大学。
3日付けワシントン・ポスト(Washington Post)紙によれば、女王訪問の情報を得るために30万人がバージニア州のウェブサイトを閲覧したという。
8日には、ワシントン近郊の米航空宇宙局(NASA)、第二次世界大戦記念碑(World War II National Memorial)を訪れ、英国大使公邸でブッシュ夫妻を招いて返礼晩さん会を催した後、同日午後に帰国の途につく。
写真はウィリアムズバーグで2日、英植民地時代の服装で歩く女性。(c)AFP/Timothy A. CLARY