【北京 30日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は30日、2008年の北京五輪を控えた中国で「安定化」の名の下に反対意見への抑圧が強まる恐れがあると警告する報告書を公表した。
アムネスティ・インターナショナルは2005年以降、五輪開催国である中国の人権状況が国際基準に合致しているかどうかについて報告書を発行。3回目となる今回の報告書で「落第点」をつけた。
報告書は複数の分野で「ほとんど改善が見られない」と指摘。北京五輪の開催を通じて逆に「弁護士を含む人権擁護に関する活動家や、人権侵害の告発者への抑圧」が進みかねないとの暗い見通しを示している。
前年、政治的な動機で政府を攻撃していると中国政府から非難されたアムネスティ・インターナショナルは、中国政府が最近発表した外国報道機関に対する規制緩和と「最高人民法院(最高裁)が死刑判決の再審理を可能にした」決定を歓迎する意向を示していた。
一方で同団体は、中国国内の安定に向けた「反対意見の封じ込め」が奨励されているとし、国際オリンピック委員会(International Olympic Committee、IOC)は影響力を行使して中国政府の人権擁護意識を高めるべきだと主張。これに対してIOC理事会は、「IOCはスポーツ組織であり、政治には介入しない」とコメントしている。
報告書は中国政府が先月、宗教団体や分離主義者などの「敵対勢力」への厳格な取り締まりを行ったと発表したことにも言及。これについて治安当局者は、「胡錦濤(Hu Jintao)国家主席が提唱する『調和のとれた社会』を実現するためにも、国内外の敵対勢力への取り締まりを強化する必要がある」と述べている。
アムネスティ・インターナショナルによると、こうした強硬抑圧路線は3月の全国人民代表大会(全人代)で承認済みだという。これに基づき、これまでに数千人が拘束されたとの情報もある。
写真は30日、北京で撮影された五輪大会のロゴ。(c)AFP/TEH ENG KOON
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