写真は、気候変動の影響で松食い虫の被害が拡大する西部の森林地帯。(c)AFP/Ministry of Forests/Lorraine Maclauchlan
【モントリオール/カナダ 29日 AFP】環境保護活動家のアル・ゴア(Al Gore)前米副大統領は28日、「カナダ政府の温暖化ガス排出削減計画は国民に誤解を生じさせる内容」と非難し、同政府の反発を招いている。
■ゴア氏「カナダ政府の計画はまったくの詐欺」
地球温暖化を題材にした自身の出演作品「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」の紹介のためトロント(Toronto)を訪問したゴア前米副大統領が非難しているのは、カナダのジョン・ベアード(John Baird)環境相が26日に発表した温暖化ガス排出削減計画。同計画には「2020年までに温暖化ガスの排出を150メガトン(20%)削減する」との内容が盛り込まれている。
だが、京都議定書(Kyoto Protocol)が1990年時点の排出量を基準に削減目標を設定してしているのに対し、カナダ政府の計画が基準にするのは2006年の排出量だ。
ゴア前米副大統領は「カナダ国民の意思決定に干渉する権利はない」としながらも、カナダ政府の計画には明確な目標が欠けていると非難し、「削減計画はカナダ国民に対して正当な政策として説明されるようだが、わたしの意見では、まったくの詐欺だ。国民に誤った認識をさせるための削減計画だ」と語った。
京都議定書は温暖化ガスの排出削減を目的とする国連枠組条約で、カナダを含む168か国が批准しているが、米国は批准していない。
■ベアード環境相は強く反発
米副大統領の非難を受けて声明を発表したベアード環境相は、強い調子で次のように述べた。「ゴア前米副大統領が計画の概要について説明を受けずに堂々と意見を述べる道を選んだのは遺憾。気候変動について説教しながら京都議定書を米国上院議会に提出しなかった人物からの批判は受け入れがたい。われわれの削減計画は、ゴア氏が一員だった米政権によるいかなる立法措置よりも格段に厳しいものだ。わたしはいつでもゴア氏と気候変動の脅威やカナダ政府の妥協を許さない排出削減計画について協議する準備がある」
京都議定書で、2012年までに二酸化炭素排出量を1990年比で6.0%削減することに合意したカナダだが、実状は35%の排出増となっている。26日の排出削減計画発表に際し、ベアード環境相は「当時の自由党(Liberal Party)政権が1998年に合意し、2002年に批准した京都議定書の排出削減目標は達成できない」と述べている。
写真は、気候変動の影響で松食い虫の被害が拡大する西部の森林地帯。(c)AFP/Ministry of Forests/Lorraine Maclauchlan
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