【トリポリ/リビア 13日 AFP】国営ジャマヒリヤ通信(JANA)は12日、リビア政府は国内に、米国の援助を受けて原子力発電所を建設すると報じた。両国政府は建設に関する協定に近く署名する予定であるという。

 JANAは「全人民会議(General People’s Committee、GPC)が11日、対外連絡・国際協力担当全国人民委員会が、米国側によって提案された、核エネルギーの平和利用におけるリビア・米国間の協力に関する協定を結ぶことを承認した」と伝えた。また「協定には、発電、脱塩水の生産およびエネルギー研究施設での放射化学に関する研究・開発のための核施設の設立を目的とした内容が含まれている」と述べた。

 一方、米国政府からは今のところ、この協定に関する正式は発表はなされていない。

 リビアは大量破壊兵器の取得を目指しているとして欧米諸国から長期にわたって非難されていた。ところが2003年末、ムアマル・カダフィ(Muammar al-Qaddafi)大佐が兵器工場の新設計画をすべて破棄すると発表。続いて2006年5月には米国との外交関係が再開している。

 米国がリビアに対し今回の提案を行ったのは、核開発を進めるイランが念頭にあるものと見られる。

 写真は、トリポリ(Tripoli)で撮影されたカダフィ大佐(2003年12月9日撮影)。(c)AFP/FETHI BELAID