【ソウル/韓国 21日 AFP】北朝鮮は中距離弾道ミサイル「ノドン」に小型核弾頭を搭載する能力を獲得済みであるとの見解を、米シンクタンクの報告書が21日、明らかにした。また、同報告書では、北朝鮮が5発から12発程度の核爆弾の生産に足るプルトニウムを分離済みであるとみている。
■日本は射程距離内に入るノドンの生産が可能か
この報告書は、米シンクタンク科学国際安全保障研究所(Institute for Science and International Security、ISIS)のデビッド・オルブライト(David Albright)氏とポール・ブラナン(Paul Brannan)氏が発表したもの。
報告書は、元米国務省の北朝鮮担当調整官ジョエル・ウィット(Joel Wit)氏と元国連(UN)核査察官のオルブライト氏が2月初旬に平壌を訪問した後に発表されたもので、「ノドン・ミサイルに、小型核弾頭を搭載する技術を北朝鮮は獲得済みだ」と判断した。ただし弾頭は比較的小型で、命中精度の信頼性は低いとみられている。
ノドンは旧ソ連が解発した短距離ミサイル、スカッドの中距離版で、射程距離は1000キロから1300キロ。北朝鮮から発射した場合、日本は射程距離内に入る。
同報告書によると、前週北京で行われた6か国協議で核施設の停止に合意した北朝鮮は、遅くとも1994年の時点でノドン用核弾頭の開発に着手、その開発を進めてきた。核弾頭の設計は、「核開発の父」と呼ばれるパキスタン人科学者、アブドル・カディル・カーン(Abdul Qadeer Khan)博士から入手したのではないかと推測されている。
■6か国協議で採択された共同宣言は、北朝鮮が現有する核兵器に効力はあるのか
2006年10月に初の核実験を実施した北朝鮮は、46~64キロのプルトニウムを保有。うち28~50キロは核兵器として使用可能な状態に分離済みだと推測されている。同国の分離済みプルトニウムの大半は、1994年の「米朝枠組み合意」 が挫折した後、生産されたものだという。
「米朝枠組み合意」 では1994年10月、米国からのエネルギー援助と引き換えに、寧辺(Yongbyon)の核施設を閉鎖するとしたもの。しかし、米国は北朝鮮が新たなウラン濃縮計画をひそかに進めているとして、2002年に援助を停止したため。北朝鮮はこれまで、ウラン濃縮計画の存在を否定してきた。
前週の6か国協議で採択された共同宣言で、北朝鮮は再度エネルギー支援と引き換えに、核施設の停止に合意した。第1段階の措置として、5万トンの重油または相当する支援と引き換えに、寧辺にある核施設を60日以内に停止・閉鎖し、国連核査察団の受け入れるとした。核施設の永久放棄を目標とする全体の見返り支援は、重油100万トン相当のエネルギー支援とされている。
共同宣言支持派は、初期措置について「核放棄が前進する兆候」だとしているが、批判派は北朝鮮がすでに保有する核兵器やプルトニウムについても、また疑惑がもたれてるウラニウム濃縮計画についても、放棄に向けた直接的な約束が示されていないと指摘している。
写真はソウルにある戦争記念館に展示される北朝鮮製のスカッドBミサイル(2005年5月2日撮影)。(c)AFP/JUNG YEON-JE
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