【アシガバート/トルクメニスタン 26日 AFP】サパルムラト・A・ニヤゾフ(Saparmurat A. Niyazov)大統領が21日に急逝したトルクメニスタンでは26日、国民評議会を開き、大統領の後継候補を指名、大統領選の日程を決定する。
同国の国民評議会は、憲法上では最高国民代表機関となっているものの、実質的には故ニヤゾフ大統領の独裁だった政治機構を議会民主制として装うための形式的なもので、約2500人のメンバーは旧ソ連時代以前に周辺地域を支配していた部族長や各州高官などが中心。重要な国策について議会として議論したことは実質的になかった。
故ニヤゾフ大統領は約20年間にわたり独裁者として君臨。選挙区選出議員50人で構成する「マジュリス」と呼ばれる議会の上位機関として、マジュリス議員に司法関係の高官や閣僚、州知事らを加えた「国民評議会」を創設したが、その議長も自らが務めた。
通常、評議会の招集は年1度で、今回は大統領死去を受けた過去に例のない緊急招集。トルクメニスタンでは前回大統領選挙が行われたのは1992年で、その時の候補は故ニヤゾフ氏単独だった。さらに法令上では、大統領選は5年に一度実施されるが、故ニヤゾフ大統領自身が「例外」を設け、99年に国民評議会はニヤゾフ氏を全会一致で「終身大統領」として任命した。
故ニヤゾフ氏の死後すぐに大統領権限委譲プロセスを開始した同国安全保障会議は21日、グルバングリ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhammedov)前副首相を大統領代行に指名した。
憲法に準ずると、国民評議会は大統領代行の指名から2か月以内の日程で大統領選挙を実施するよう決定しなければならない。しかし、近代民主主義が実現したことのないトルクメニスタンでは、政治的規定さえも容易に変更される余地があるといえる。国民評議会は政治経済、社会発展に関する政策を吟味することなく承認してきたが、その特権のひとつに改憲権限もあるため、今後の政治日程については見通しが立っていない。
また国民評議会は、議長を兼ねたニヤゾフ大統領の死後、2人いる副議長のうち1人が議長代行を務めているため、26日に同評議会議長および空席の副議長も任命する予定だ。さらに、もう1人の副議長であるRedzhep Saparov氏が汚職で服役中で、さらに憲法で大統領職務を代行すると規定されている評議会議長のOvezgeldy Atayev氏は22日、治安当局に身柄を拘束されたため緊急議会開催は遅れ、大統領後継をめぐる政治的駆け引きが混迷している。
写真は故ニヤゾフ大統領(2005年2月17日撮影)。(c)AFP/IGOR SASIN