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独裁者ピノチェト氏死亡、犯した罪償わぬまま - チリ

  • 2006年12月11日 12:30 発信地:チリ
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写真はピノチェト元大統領(2000年3月3日撮影)。(c)AFP/CRIS BOURONCLE

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【サンティアゴ/チリ 11日 AFP】アウグスト・ピノチェト(Augusto Pinochet)元大統領が10日、心臓発作によりサンティアゴ(Santiago)の病院で死去した。91歳だった。ピノチェト元大統領は、1973年から1990年にかけてチリに軍事独裁を敷き、その間約3000人が拷問・殺害されるなどして、「南米の軍事弾圧」の象徴となっていた。

 軍の声明によると、11、12両日に陸軍士官学校での葬儀ミサを経て、12日にサンティアゴ市内で葬儀(軍葬)が執り行われる。遺族の希望で、遺体は火葬にふされる。政府関係者によると、国葬や追悼式は行われない。

■歓喜する反ピノチェト派の市民、警察との衝突も

 サンティアゴでは、ピノチェト元大統領の死亡を喜ぶ数千人の市民が、旗を振り、クラクションを鳴らしながら路上を行進した。大統領宮殿の前では、警察と衝突する場面も見られた。一方、ピノチェト氏が死亡した病院の前には支持者約2000人が集まり、死を悼んだ。

 ピノチェト元大統領は1973年、当時、社会主義政権を敷いていたサルバドル・アジェンデ(Salvador Allende)大統領に対するクーデターを成功させ、政権を奪取。この時のクーデターを支援した米国政府は、元大統領本人ではなく、ピノチェト独裁時代の犠牲者たちを悼むコメントを発表した。

■独裁の犠牲者に「哀悼」、民主主義の進展たたえる――一線を画す米英

 ホワイトハウスのTony Fratto報道官はAFPの取材に対し、「ピノチェト独裁時代の17年間は、最も困難な時期としてチリ史上に刻まれた。当時の犠牲者とその家族に哀悼の意を表したい」と語った。

 ピノチェト政権とは一線を画してきた英国では、マーガレット・ベケット(Margaret Beckett)外相が、元大統領の死亡には触れず、ピノチェト後の15年間におけるチリの民主主義の進展をたたえるコメントを発表した。

 人権監視団体のアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、チリ政府に対し、「ピノチェト時代の人権侵害に対する捜査の継続」を要請した。
「ピノチェト氏自身は人権侵害の罪を免れたが、人権侵害の罪に対して早急かつ公正な判断を下すことの重要性を、チリをはじめとする世界各国の政府は認識する必要がある」(同団体広報担当官)

 ピノチェト元大統領は結局、軍事政権下での反体制派の殺害などについて訴追を免れたことになる。2002年に同氏の弁護団が「元大統領は認知症で裁判を受けられる健康状態にはない」と訴えたことから、最高裁は裁判の停止を命じていた。

■バチェレ大統領の姿勢は明確

 自宅軟禁下にあったピノチェト元大統領は3日、心臓発作で入院し血管形成術を受けた。医師団は同日、「順調に回復している」と発表していた。

 ピノチェト時代に両親が拷問を受け、1974年に父親を拷問で亡くしたミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)大統領は、1月の大統領選のキャンペーン中に「人権侵害を行うのみならず公金を横領した人物に敬意を払うなどしたら、チリの良心が疑われるだろう」として、「ピノチェト氏が死亡しても国葬は行わない」と明言していた。

 写真はピノチェト元大統領(1990年3月11日撮影)。(c)AFP

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