
【モスクワ/ロシア 8日 AFP】ロシア連邦保安局(FSB)のアレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)元情報局員の毒殺事件の捜査のため、4日にモスクワ入りした英ロンドン警視庁の捜査官らは、ロシア人ビジネスマン、ドミトリー・コフツン(Dmitry Kovtun)氏を証人として聴取した。
■英捜査官、モスクワで関係者への事情聴取を開始
11月1日にリトビネンコ氏とロンドンのホテルで接触したコフツン氏は、リトビネンコ氏と同様の放射能物質に汚染されている疑いで病院で検査を受けているため、聴取は同病院で行われた。
11月1日にコフツン氏とともにリトビネンコ氏と接触したもう1人のロシア人、アンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏も、現在モスクワ市内の病院で医療検査を受けているが、事件の目撃者として警察の聴取に積極的に応じる構えであるという。
ルゴボイ氏は、元ロシア政府の護衛員を務めた経歴を持つ。ルゴボイ氏もコフツン氏と同様、現在はともにロシアの金融関係の会社に勤務している。
■身の危険な感じる関係者が複数存在
また、11月1日にナポリ大学教授マリオ・スカラメラ(Mario Scaramella)氏と接触したとされるロシア人のYevgeny Limarev氏は、フランスで7日、AFPに対し、「自分自身の命も危険にさらされている」と語った。
「この事件の捜査で、私の名前もリトビネンコやスカラメラと同様に浮かび上がった。自分の身にも、何か恐ろしいことが起きるかもしれない」(Limarev氏)
同氏は以前、ロシアの秘密情報部にフリーランスの形で勤務しており、その時期に集めた情報をスカラメラ氏に手渡したという。フランス警察当局に対しては、スカラメラ氏に渡した情報についてすでに供述を行っており、英国またはイタリア警察当局に対しても、事件について供述する意向を示している。
■ロシア当局は独自捜査を開始
一方、ロシア検察局側も、リトビネンコ氏不審死事件について、殺人事件として独自捜査を開始したと発表。コフツン氏の放射能汚染の件も同様に捜査するという。
ロシア最高検察庁のユーリー・チャイカ(Yury Chaika)最高検長官は、4日からロシア国内で捜査を開始した英ロンドン警視庁の捜査官に対し、容疑者へ直接聴取を行うこと、および容疑者が判明した場合の身柄引き渡しを拒否する旨を明言している。
英国在中のリトビネンコ氏の遺族らが、今回の事件にロシア当局が関与しているとして非難していることから、英国とロシアの両国関係は現在、緊張状態にある。一方、ロシア当局は「バカげたことだ」として関与を否定している。
写真は7日、ロンドン市内のハイゲート(Highgate)墓地にリトビネンコ氏の棺を運ぶ人々。(c)AFP/ODD ANDERSEN
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