写真は18日、ハノイ(Hanoi)のホテルで会談する安倍晋三首相(右)と韓国の盧武鉉(Roh Moo-Hyun)大統領。AFP/JAPAN POOL/KENICHI MURAKAMI
【ハノイ/ベトナム 19日 AFP】ベトナムの首都ハノイで開催されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会合は19日、各国間の貿易交渉の本格的な再開を求め早急な努力をすることを盛り込んだ共同声明を発表する。一方、AFPが入手した原案に北朝鮮についての直接的な記述は見られなかった。
この原案は、自由貿易の妨げとなる関税などの障害を撤廃するため、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド、Doha round)で成果を上げる努力を行うことを強調している。
■ 北朝鮮核開発は盛り込まれず
一方で、今回のAPECの主要なテーマの1つである北朝鮮の核開発問題については、声明の原案に盛り込まれていない。
これは、各国首脳が10月9日に行われた北朝鮮による核実験に対し別の共同声明を発表する可能性を示唆している。
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、日・韓首脳との個別会談で北朝鮮への強硬姿勢への歩調の連携を目指した。
これに対し、中国とロシアは国際社会で孤立を強め、経済基盤も脆弱(ぜいじゃく)な北朝鮮に圧力を加えることは、同国が復帰を宣言している6か国協議再開を危うくすると警戒する立場を取っている。
■ 各国の多角的貿易交渉努力を促す
声明の原案は、WTOの多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)でこれまで成果を上げられなかったことについて、「加盟国各国の経済と国際的多角的貿易システムにとって非常に残念なこと。各国は、現在の手詰まり状態を打破する努力を惜しまず、意欲的、包括的そして均衡の取れた結果を成し遂げるべき」との各国首脳の認識を示している。
原案はまた、米国が提唱する環太平洋の巨大な自由貿易圏(FTAAP)構想について、交渉での「実践上の問題点」を提示した上で、同地域の貿易と投資を自由化するより効果的な方策を「APECは前向きに検討する時期にさしかかっている」との内容が盛り込まれている。
各国首脳は、FTAAPの長期的見通しについて、研究を進めるよう関係閣僚に指示を出し、オーストラリアで来年開催されるAPECの首脳会合で成果を話し合うことに合意するという。
■ テロへの非難、有事の協調
治安関連では、テロリズムに対する非難のほか、「APEC圏の安全を脅かす直接的な脅威を与える」大量破壊兵器の拡散による危機の防止に成果が見られているとの記述にとどめられている。テロへの資金供与の取り締まりを含む、「各国の経済状況に応じた、各国の連携による適切な行動の必要性を認識する」と原案は述べている。
原案はさらに、HIV/AIDS問題、鳥インフルエンザなどの流行性の疾患、反テロ対策、および自然災害発生からの経済立て直しにおける不測事態対応計画の策定について、協調した取り組みの強化を約束している。
政治の腐敗については、「経済と社会の発展にとって最大の障害」と見なし、各国首脳は容疑者の引き渡し、資産の追跡と回収、および相互的な法的共助への取り組みを進める。
写真は18日、ハノイ(Hanoi)のホテルで会談する安倍晋三首相(右)と韓国の盧武鉉(Roh Moo-Hyun)大統領。AFP/JAPAN POOL/KENICHI MURAKAMI