【平壌/北朝鮮 9日 AFP】北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は9日、同国が初めての地下核実験を実施したと発表した。独裁国家が核兵器を保有することに懸念を示してきた国際社会の反対を無視して、宣言通り、地下核実験に踏み切った。
北朝鮮による核実験実施のニュースは即時、世界各国に伝えられ、諸政府からの非難の声明が次々と発表された。同日午後には、関係国間の緊急対策協議や、国連安全保障理事会(UN Security Council)で制裁決議を求めていく緊急協議が開かれる予定。
関係諸国は前週、北朝鮮が核実験を実施した場合、高い代償を伴うと警告している。今回の実験は、そうした背景の中、金正日(Kim Jong-Il)総書記が国際社会の我慢の限界を試すかたちとなった。
北朝鮮は国際社会から孤立、困窮している国家のひとつ。同国は今回の実験について「歴史的な出来事」と表現し、安全保障と平和向上のため、危険なく実施されたと発表した。
しかし、国際社会の反応は困惑と強い懸念にあふれ、北朝鮮と外交的に対立関係にある米国から最大の友好国である中国にいたるまで、非難の声をあげている。
アジアの証券市場では、実験実施が周辺諸国の核軍備競争の引き金となるのではとの恐れから、株価が急落した。
■ 米国と中国の反応
米国のトニー・スノー(Tony Snow)大統領報道官は、「国連安保理が、挑戦的な行動に即時対処するよう期待する」と述べた。一方、中国は、「北朝鮮は国際社会の普遍的な反対を無視し、横暴にも核実験を実施した」と非難した。
前週の宣言通りに地下核実験に踏み切った北朝鮮政府は、米国の戦争の驚異に対抗するために実施した、と声明をだし、実験は管理された環境で行い成功したと伝えた。朝鮮中央通信は、「強力で自立的な国防力を渇望してきた我が軍と人民に、大きな鼓舞と喜びを与えた歴史的な出来事」とした上で、実験は「朝鮮半島と周辺地域の平和と安定を守ることに寄与することになる」と報じた。
北朝鮮が核兵器の完成を初めて明らかにしたのは前年で、同国の核開発計画についてはほとんど知られていない。米中央情報局(CIA)は、北朝鮮は数発の核弾頭を保有していると推測している。
■ 日韓首脳会談直前に実施された実験
今回の核実験は、対北朝鮮外交で強硬姿勢を貫いてきた安倍晋三氏が首相に就任して初めて予定された、韓国の廬武鉉大統領との首脳会談の開始直前に実施された。ソウルでの会談では、北朝鮮に実験を思いとどまらせる方策が議題の中心となると期待されていた。
安倍首相は北朝鮮の実験実施宣言を受けて、「核実験は断じて容認できない」と述べ、実験に関する情報をさらに収集、冷静に分析する必要性に言及した。
9日、韓国の廬大統領は緊急閣僚会議を招集し、日韓両政府の緊急協議を設けた。「韓国政府は、北朝鮮の核保有を容認しないという原則を貫き、この件に厳しく対応していく」と、尹太瀛(ユン・テヨン、Yoon Tae-Young)大統領報道官は述べた。
写真は、ソウルで北朝鮮の核実験実施についての記事を読む男性。(c)AFP/JUNG YEON-JE