写真は山口県長門市で自民党(LDP)総裁選に向けた活動を行う安倍夫妻(2006年8月12日撮影)。(c)AFP
【東京 24日 AFP】新世代のファーストレディが日本で誕生する。社交界に精通し韓流ファンでもある安倍昭恵さんは、夫である安倍晋三氏のタカ派のイメージを和らげることができるかもしれない。
晋三氏は26日、初の戦後生まれで最年少の総理大臣となる。中国や韓国、北朝鮮が日本の過去の行為に対して根強い批判を続けるなか、晋三氏は「すでに十分な謝罪が行われた」との歴史認識を持つ。北朝鮮による日本人拉致事件で強硬姿勢をとったことで、国民の人気が高まった。
■韓流、フラメンコ…親しみやすさで名門イメージを「緩和」
夫が仕事で北朝鮮に関わったことから、朝鮮語に興味を持ち勉強を始めたという。以前テレビ番組に出演した際、「いつか夫と北朝鮮を訪問したい。そこで一般の人々と通訳を介さずに話したい」と語った。
昭恵さんは韓流好きとしても知られており、特に日本で人気の高いペ・ヨンジュン(Bae Young-Jun)のファンだ。また、下戸である晋三氏に対し、時折お酒を嗜む。フラメンコダンスを習い、それをカメラの前でも披露。夫の「名門イメージ」を和らげるため、支援者のためにパーティを開くこともある。アエラ誌によると、夫の50歳の誕生日会を東京で開いた際は、招待客100人のうち政治家は1人もいなかったという。
親しみやすいイメージのある昭恵さんだが、実際には夫と同様、「名門出身」といえる。父親は森永製菓の社長を務めた松崎昭雄氏。カトリック系高校を卒業し、2年間専門学校に通った後、大手広告代理店の電通に勤務。晋三氏と出会い、1987年に結婚した。夫妻に子どもはない。
欧米諸国のファーストレディとは違い職務経験は短いが、首相夫人としての役割を果たす準備はできているという。20日の総裁選挙で晋三氏が勝利すると、「大きな責任があると思います。国民の皆さんが大きな期待を寄せていると聞いています」と語った。
数少ない例外を除き、歴代の首相夫人は注目を浴びるのを避けてきた。小泉純一郎首相は独身であったため、ファーストレディは2001年から不在であった。
故橋本龍太郎元首相(任期:1996年-1998年)の妻、久美子さんはAFPの取材に対し、「私は夫が安心して働けるような環境を作るよう心がけました。また、国民の期待に応えられるよう、全力を尽くそうという姿勢でした」と語った。しかし昭恵さんについて、は「今まで通り自然なままでいてほしい」と述べた。
■夫人は政治戦略における重要な存在
最近のスポーツニッポン紙によるインタビューで、昭恵さんがどんなファーストレディになるかと質問された際、晋三氏は「私のことを誰よりも理解している人で、最高の支持者」と答えた。
「人は困難な事態に直面すると、気分が重くなるもの。そんな時、妻はいつも私を褒めてくれるので、自信と勇気を取り戻すことができる。私にとって妻はそういう人」
政治評論家は、小泉首相が独身であることを利用したように、昭恵さんも晋三氏を国内外で支える政治的財産になるだろうと予想する。独身の小泉首相は、世界中で開かれる首脳会談に単独で出席し、「一匹狼」のイメージを固めた。
「小泉首相に家庭的な雰囲気がないことが、幅広い世代の人気を集める要因になった」と、山口県立大学の井竿富雄教授(政治学)は言う。
「しかし、政治家が自身のイメージを戦略を練る際、妻は重要な要素となる」
写真は山口県長門市で自民党(LDP)総裁選に向けた活動を行う安倍夫妻(2006年8月12日撮影)。(c)AFP