【7月5日 AFP】陸上、両脚義足の「ブレードランナー」として知られる南アフリカのオスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)が4日、ロンドン五輪の男子400メートルと4×400メートルリレーの南アフリカ代表に選ばれ、義足選手が初めて五輪に出場することになった。

 29日にベナンで行われたアフリカ選手権(2012 African Senior Championships In Athletics)の男子400メートル決勝でピストリウスは45秒52を記録して2位に入ったものの、参加標準記録Aの45秒30を突破できなかった。

 ピストリウスは3月に今季自己最高の45秒20を記録していたが、南アフリカ陸上連盟(Athletics South AfricaASA)は選手に対し、もう一度標準記録Aの突破を求めていた。

 五輪出場が厳しくなったとみられながらも、一転して代表メンバーに選出されたピストリウスは、「きょうは人生で最も幸せな一日になった。僕は五輪とパラリンピックに出場するため、ロンドンにいることになる。競技者になってからきょうまで僕を支えてくれたすべての人に感謝を述べたい」とコメントした。

 生後11か月で両ひざから下を切断したピストリウスは、2008年のスポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for SportCAS)の裁定により健常者の大会に出場できるようになったが、2008年の北京五輪には出場できなかった。

 その後、第13回世界陸上大邱大会(13th IAAF World Championships in Athletics Daegu)の出場メンバーに選出されたピストリウスは、男子400メートルと4x400メートルリレーに出場したが、男子400メートルは準決勝敗退に終わり、4x400メートルリレーでは決勝には出場しなかったものの、南アフリカ代表の一員として銀メダルを獲得している。

 また、北京パラリンピックで3冠を達成しているピストリウスは、ロンドンパラリンピックでも男子100メートル、200メートル、400メートル、4x100メートルに出場を予定している。(c)AFP