【1月22日 AFP】最多1億人がインドのガンジス(Ganges)川で沐浴(もくよく)する世界最大の宗教的祝祭「クンブメーラ(Kumbh Mela)」は健康に良いとする研究論文が、米科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に掲載された。

 4大学とインドの5大学の社会科学者からなる合同チームは2010年と11年の2回にわたり、巡礼者416人と巡礼しなかった127人を対象に調査を行った。その結果、クンブメーラに参加するヒンズー教徒は寒い天候や鳴りやまない騒音、貧しい食生活、疾病リスクなどにさらされているにもかかわらず、精神的、肉体的な健康レベルが他と比べて高いことが分かったという。

「Understanding the Pilgrim Experience(巡礼体験を理解する)」と題された論文で研究チームは、厳しい状況に耐えたり同じ行為に参加したりする経験を分かち合うことは、他のあらゆる身体的不快感を上回るとし、「中には病気になったり気分が悪くなる者もいるかもしれないが、大半の人びとにとってメーラは健康に良い」と結論した。

 論文はまた、「強く結束したヒンズー教巡礼者たちの一員になる体験、そして仲間の巡礼者に支えられているという感覚は、コミュニティーへの帰属感を強化する」とも指摘している。

 インド北部アラハバード(Allahabad)で12年ごとに55日間にわたり開催されるクンブメーラは、今月14日に始まった。当局によると、初日には約800万人が参加し、罪を洗い流す力があるとされるガンジス川の聖なる水で沐浴したという。またインド各地では小規模な同様の祝祭が毎年行われている。(c)AFP