【9月3日 AFP】世界基督教統一神霊協会(Family Federation for World Peace and Unification、統一教会)の創始者、文鮮明(Moon Sun-Myung)氏が3日午前2時前(日本時間同)、韓国内の病院で死去した。92歳だった。統一教会関係者が明らかにした。

 文氏は肺炎の合併症で8月中旬にソウル(Seoul)の病院の集中治療室に入ったが容体が悪化し、「もはや現代医学の技術では容体を改善させることはできない」という医師らの判断を受け、統一教会の病院に移送されていた。

 統一教会関係者によると、文氏は、ここ数か月は毎月訪米するなど、高齢にもかかわらず過労だったという。

 文氏が1954年にソウルで設立した統一教会は約200国で活動し、大規模な合同結婚式などで知られる他、米紙ワシントン・タイムズ(Washington Times)や米ニューヨーク(New York)マンハッタン(Manhattan)のニューヨーカーホテル(New Yorker Hotel )を含む一大ビジネス帝国も築いた。

 統一教会の信徒は創始者の名前をとってしばしば「ムーニーズ(Moonies)」とも呼ばれた。信者を洗脳するカルト教団だという批判もあるが、統一教会はこれを否定している。

 1991年に文氏は平壌(Pyongyang)で北朝鮮の故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)主席と会談し、同年、統一教会と北朝鮮の「リョンボン・ジェネラル・コーポレーション(Ryonbong General Corp)」の合弁自動車メーカー、「平和(ピョンファ、Pyeonghwa)」も設立された。

 文氏には現在の妻との間に14人の子供がいる。7人の息子のうち最も若い文亨進(ムン・ヒョンジン、Moon Hyung Jin)氏は2008年、28歳で文鮮明氏の後継者に就任した。(c)AFP