【7月29日 AFP】米共和党を支持する保守派有権者の30%以上が、いまだにバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領をイスラム教徒であると信じている。このような調査結果を、米非営利調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が26日、発表した。

 ピュー・リサーチ・センターのシニア・リサーチャー、グレッグ・スミス(Greg Smith)氏は、AFPの取材に「オバマ氏がイスラム教徒であると信じる米国人の数は2008年よりも高く、2010年と同程度になっている」と説明した。

 オバマ氏がキリスト教徒であることは、熱心に教会に通う大統領自身が幾度となく強調してきた。それにもかかわらず、オバマ氏がイスラム教徒であると信じる保守派共和党員の数は、2008年から2010年にかけて倍増し、その後2012年まで横ばいが続いている。

■「オバマ氏はイスラム教徒」、有権者全体でも17%

 また、ピューが6月と7月に実施した米国有権者全体を対象にした3000人への調査によると、オバマ氏がイスラム教徒だと信じる人は17%に上った。これは2008年より5%高く、2010年よりは3%低い数字で、いずれも調査の許容誤差内に収まっている。

 オバマ大統領は、ケニア出身のイスラム教徒を父親に持ち、ミドルネームがフセイン(Hussein)で、幼少期をイスラム教徒が多数派のインドネシアで過ごした。

 複数の調査によると、大勢の米国人が、オバマ氏はイスラム教徒であることを隠しているかもしれないと疑念を抱いている。このような疑念が広がった理由の1つに、共和党支持者らが、保守派ブログや保守派のラジオ司会者らにたきつけられたことがあげられる。

 ピューの調査で、オバマ氏がキリスト教徒であると正しく認識していた人は全体の49%だった。また31%は「わからない」と回答した。一方、11月の大統領選でオバマ氏と争うことになる共和党候補のミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事がモルモン教徒であることを正しく認識していた人は約60%に上った。(c)AFP/Massoud Hayoun