【5月26日 AFP】イスラム教の中でも超保守的とされるサウジアラビアで、女性の自動車運転を禁止する法律に抗議するデモが6月に計画されているが、フェイスブック(Facebook)上では前週、このデモで車を運転しようとしている女性たちに制裁を加えるよう男性たちに呼び掛けるページが立ち上がり、物議を醸している。

 同国では先ごろ、首都リヤド(Riyadh)北東のアルラス(Al-Ras)で車を運転したとして、マナル・シャリフ(Manal al-Sharif)さん(37)が逮捕される事件があった。デモはこれに抗議するもので、6月17日に計画されている。活動家らはシャリフさんの即時釈放を求めている。

 そんな中、フェイスブックには「イカール・キャンペーン: 6月17日は女性に自動車運転をさせない日」と銘打ったページが登場した。イカールとは、湾岸諸国の男性たちが頭にかぶる布を留める縄状の輪のこと。ページは車を運転した女性をイカールで叩こうと呼びかけ、これまでに6000人を超える読者から「いいね!」が寄せられている。

 ある男性は、若者たちにイカールを配って「賛同」させることを提案。別の男性は「男たちがイカールを手に入れようと殺到しているので値段が上がっている」と冗談めいた書き込みをしている。

 このイカール・キャンペーンをめぐって、サウジ国内各紙で激しい議論が巻き起こっている。有名作家のアブド・カル(Abdo Khal)氏は地元紙オカズ(Okaz)に、女性の自動車運転を禁止する法律を非難するコメントを発表した。キャンペーンについては「笑い飛ばせばいいのやら、悲しめばいいのやら」と当惑した反応だった。

 一方で、同じくフェイスブックには「私たちはみんな マナル・シャリフ: サウジ女性の権利のために連帯しよう」というページも出現し、こちらも人気がうなぎ上りで、1日あたりの「いいね!」は1万9000件を超えるまでになっている。

 また、湾岸諸国の知識人たちはシャリフさんの釈放を請願する署名を始めており、これまでに300人筆以上が集まっている。(c)AFP

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