【1月31日 AFP】チベット仏教の4代宗派の1つを指導するカルマパ(Karmapa)17世の寺院から総額100万ドル(約8200万円)近い外貨の札束が発見されたことについて、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(75)は30日、徹底調査を呼びかけた。

 発見されたのは米ドルを中心に20以上の通貨の紙幣で、内訳は60万米ドル(約5000万円)、中国の人民元で120万元(約1500万円)、50万香港ドル(約530万円)、530万インドルピー(約950万円)など。カルマパ17世の寺院や事務所などから見つかった。

 チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラ(Dharamshala)の警察はカルマパ17世から事情を聴き、複数の側近を逮捕したという。カルマパ17世は、ダライ・ラマ14世の死後、チベット仏教の最高指導者になる可能性もある。

■ダライ・ラマは徹底調査を求める

 インドのメディアは治安当局関係者の話として、カルマパ17世は親中国の寺院を設立するためにチベットからインドに送り込まれた中国の傀儡(かいらい)の懸念があると報じている。

 一方、カルマパ17世の事務所は報道を否定し、発見された金銭は長年の寄付金によるものだと説明した上で、会計処理に不手際があったことを認めた。また、30日夜にはダラムサラにあるカルマパのギュート(Gyuto)寺に約200人が集まり、夜通しキャンドルライトをともしてカルマパ17世のために祈った。

 地元メディアによると、ダライ・ラマはインドのバンガロール(Bangalore)で会見し、「徹底調査が必要だ。カルマパはとても重要なラマだ」と語った。「中国にいる人を含め、カルマパを篤く敬う人は多い。見つかった金銭はごく普通にカルマパが(寄付として)受け取ったものかもしれない」と述べ、「不手際があったかもしれない。徹底調査をするべきだ」と語った。

 カルマパ17世は14歳だった1999年にチベットを離れた。中国政府にダライ・ラマの敵対勢力に仕立て上げられることを懸念したからだと語っている。その後、ダラムサラでは、ダライ・ラマが父親代わりを務めてきた。(c)AFP