【1月27日 AFP】フランス国民議会(下院)の調査委員会は26日、イスラム女性の衣装ブルカの着用は「フランスの価値観とは相容れない」として、公共の場での着用禁止を提言する報告書をまとめた。

 議員32人で構成される同委員会は、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が前年6月「ブルカは抑圧のしるし」と批判したことを受けて設置されたもの。一部の右派議員は全面着用禁止を求めたが、違憲性を問う慎重論もあり、学校、病院、公共交通機関、役所での着用禁止を求めるという内容で承認された。

■ベールの種類について

 髪をスカーフで覆うのは、保守的なイスラム女性だけではない。ユダヤ教超正統派の女性にも同様の習慣があり、プロテスタントの一部の分派は女性が髪をスカーフで覆うことを強く推奨している。

 イスラム女性が着用するスカーフには主に以下の4種類がある。

ヒジャブ:ヘッドスカーフ。エジプトなどで合法化されているムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)など、一部のイスラム原理主義組織が推奨している。

ブルカ:全身を覆うベール。アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は女性に対しブルカの着用を強制している。

ニカブ:目以外の顔全体を覆うベール。エジプトの一部のイスラム強硬派により推奨されているが、イスラム教スンニ派の最高学府であるカイロのアズハル大学(Al-Azhar University)は着用自体を容認していない。

チャドル:顔以外の全身を覆うマント。イランやアフガニスタンなどで着用されているが、強制ではない。

(c)AFP/Carole Landry