【8月3日 AFP】英カトリック教会のビンセント・ニコルズ(Vincent Nichols)大司教(ウェストミンスター教区)は2日、10代の若者たちを刹那(せつな)的な関係に引き寄せ、自殺に走らせもしているとして、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)への懸念を表明した。

 イングランド・ウェールズカトリック司教協議会会長のニコルズ大司教は、2日付の英日曜紙サンデーテレグラフ(Sunday Telegraph)に掲載されたインタビューのなかで、ネット上の人間関係は一方的に突然、終わることもあり、こうした衝撃は若者が自殺する引き金の要因となっていると危ぐを示した。

「ネット上の人間関係は、二者択一なものに陥りやすい。このため若者たちは、自分を良く見せようとしたり、(ネット上に)多くの『友人』を持つこと、また自慢さえできる友人を集めることに苦心している」(ニコルズ大司教)

 しかし「友情は商品ではない。努力して築き上げた友情は長続きする」と述べ、インターネットや携帯電話について「非人間的な社会を形成している」と警告した。

 フェースブック(Facebook)やマイスペース(MySpace)などのSNSに関しても、「コミュニティー形成に貢献しているかもしれないが、調和のとれたコミュニケーションはみられない。よって、円滑な社会を形成することはできない」と語った。(c)AFP