【7月24日 AFP】米国に拠点を置くイスラム教団体「ICNA(Islamic Circle of North America)」は今年9月、ニューヨーク市(New York)の地下鉄に、イスラム教の普及を目指した広告を出す計画を立てている。同月はイスラム教の聖なる断食月「ラマダン(Ramadan)」にあたるが、9.11同時多発テロ7周年を迎えることもあり、議論を呼んでいる。

 広告には、「You deserve to know(あなたには知る権利がある)」というスローガンとともに、預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)やイスラム教に関する質問の窓口として、ICNAの連絡先が記される予定だ。

 ICNAは、ニューヨーク市の交通機関を運営する公的機関であるMTA(Metropolitan Transit Authority)に、広告料4万8000ドル(約510万円)を支払う。

 同団体のウェブサイトによると、ICNAは「イスラム教を正しく理解してもらい、イスラム教に関する多くの誤解を解くために、新しい戦略を開拓する上でのリーダー的存在」を自称している。今回の広告プロジェクトに関しては、「イスラム教系のいくつかの主要組織や共同体の協力で行われる」としている。

 一方、共和党のピーター・キング(Peter King)下院議員は、MTAに対し、広告を出さないよう要請している。「9.11の7周年の期間中に(イスラム教の)広告を出すなど、非常に恥ずべき事。しかも地下鉄は、テロリストの格好の標的と見られている」と同議員は語った。(c)AFP