【5月27日 AFP】マレーシア議会でマレー系ムスリムの議員が、「イスラム教信者の女性たちが一夫多妻制を受け入れるような教えを受ければ、結婚にまつわる問題は減り、離婚率も下がるだろう」と発言し問題になっている。地元日刊紙「スター(Star)」が23日、報じた。

 無所属のイブラヒム・アリ(Ibrahim Ali)議員が、「結婚に関する問題で非難されるのは常に女性ばかりだ」という不満に対して発言した。

 同紙によるとアリ議員は「こうした問題が起こるのは、女性が一夫多妻制を受け入れられないから。予防策的に、女性に対する一夫多妻制の大キャンペーンを行ってはどうか」などと語った。アリ議員はさらに、妊娠している女性や50代にさしかかって「問題」を抱える女性は、男性がまだ「楽しみたい」と思っていることを理解していない、と続けた。

 アリ議員の発言のきっかけとなったのは、「結婚に関する非難の大半は女性に集中する」という女性たちからの不満を受けた野党の女性議員Fuziah Salleh氏が、シャリア(イスラム法)法廷関係者らの適性に疑問を呈したことだ。

(シャリア法廷では)「女性たちは助言を得るのではなく『忠告』されている。毎回女性たちは、非難を負うべきはあなたがただと言われる。それが家庭の問題であれば忍耐強くあれと言われ、暴力を振るわれても、やはり我慢しろと言われる」(Salleh議員)

 イスラム教はマレーシアの国教で、人口2700万人のうち60%がマレー系ムスリム。イスラム教徒の男性は妻4人までとの結婚が認められている。一方、イスラム教徒以外の一夫多妻制は違法だ。

 人権活動家や女性運動グループらは、一夫多妻制は残酷であり、本来は夫に先立たれた女性や孤児の保護を目的としていたイスラムの教義から逸脱してしまっていると糾弾している。(c)AFP