【5月19日 AFP】憎悪感情を扇動する風刺漫画を発表したとしてオランダ警察当局が漫画家を逮捕、拘束したことに対して、漫画家本人や党派を超えた幅広い政党が17日、抗議の声を上げた。

 検察当局は、漫画家のGregorius Nekschott氏の描いた漫画8点について、「(表現の自由の)限度を超えている」としてウェブサイトから削除したと発表した。

 2005年のイスラム教指導者による訴えをもとにアムステルダム警察は13日、Nekschott氏を逮捕するとともにNekschott氏の自宅を家宅捜索した。その後16日には、Nekschott氏は釈放されていた。

 オランダ政界の既成勢力とイスラム教とを主な標的として風刺画を描くNekschott氏は、17日に発表されたインタビューの中で、オランダではアーティストの口を封じさせる傾向があると述べた。

 Nekschott氏は左派日刊紙De Volksrantの取材で、デンマークの新聞に掲載され、イスラム世界を激怒させた預言者ムハンマド(Mohammed)の風刺漫画を引き合いにだし、「デンマークでは漫画家は保護される。オランダでは警察に逮捕される」と話した。

 オランダ放送協会(NOS)の公共テレビによると、中道左派の連立政権に参加する労働党を含め、極右から極左までの広範囲な政党がNekschott氏の逮捕を非難した。(c)AFP