【9月30日 AFP】ベルギーの女性が、7か月前に自殺した夫が首つりに使った縄の引き取りを当局から求められ、新たな精神的苦痛を強いられている。

 26日の日刊紙ラ・プロバンス(La Province)によると、匿名を条件に取材に応じたこの女性は8月、犯罪被害者の支援を目的に開設された事務局から突然の書簡を受け取り、夫の自殺現場から回収された物品について連絡するよう求められた。「やっとトンネルの先の光が見えてきたばかりだった」と女性は当時を振り返っている。

「もう既に(遺品は)全て引き取ったと思っていたので、少し困惑した」という女性は不安になり、いとこに頼んで自分の代わりに電話してもらった。するといとこは、縄を引き取りにこられるかどうかを当局に聞かれたと説明したという。

 女性は「夫の苦しみを自分が理解していなかった事実に向き合うだけでも十分辛かった。さらに、こんなことに対処しなければならないとは」と付け加えた。

 地元の副町長が女性に代わりに法務省に苦情を申し立てたものの、当局からは「手順を順守した」との回答しか得られなかったという。(c)AFP