【9月25日 AFP】未成年の若者たちには、どんちゃん騒ぎのパーティーでの写真をアップロードしたり、露出度の高い写真を公開したり、さらには不快なコメントを投稿したりといった悪夢のような「癖」があるが、米カリフォルニア(California)州では、そんな若者を救済する夢のような法律が成立した──本人が希望すれば、過去の投稿を削除することができるようになるのだ。

 カリフォルニア州のジェリー・ブラウン(Jerry Brown)州知事は23日、本人(未成年)が希望した場合に自分の過去の記録を削除できるようにする「消しゴムボタン」法に署名した。同法は、フェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)、グーグル(Google)などのソーシャルメディア大手に義務付けるもので、2015年1月1日に施行される。

 また、ソーシャルメディアサイトは、この新たな権利について利用者に通知する責任を負う。ツイッターとフェイスブックでは現在、画像とコメントの削除をすでに許可している。

「結果についてはよく考えずに、軽率な画像やメッセージを衝動的に投稿しがちなわれわれの子どもたちにとって、これは画期的な保護方法だ。将来、ずっとおびえ続けなければならない可能性を秘めたこれらの素材を子どもたちは削除する権利を持っている」と、カリフォルニア州上院議員のダレル・スタインバーグ(Darrell Steinberg)氏は述べている。

■居住地や年齢の確認に懸念も

 一方、非営利団体(NPO)「家族オンライン安全機関(Family Online Safety InstituteFOSI)」は、同法の問題点を指摘している。

「情報を保護するよりはむしろさらに多くの情報を収集することになる。(ソーシャルメディアは)子どもの年齢を確認する必要があるだけでなく、(法の適用のためには)カリフォルニア在住かどうかも確認しなければならないからだ」と、FOSI代表のスティーブン・バルカム(Stephen Balkam)氏は述べた。同氏はまた、オンラインで自分の年齢を詐称する人が増加する可能性にも触れている。(c)AFP