【9月19日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)で18日、イスラム教徒限定のミス・コンテスト世界大会が行われ、ナイジェリア出身のオバビ・アイーシャ・アジボラ(Obabiyi Aishah Ajibola)さんが優勝した。このイベントは、同国のイスラム強硬派から批判が集まっているミス・ワールド(Miss World)世界大会に対抗して開かれた。

 きらびやかな雰囲気に包まれた「ムスリマ・ワールド(Muslimah World)」には、6か国から集まった20人が出場した。スカーフと精巧な刺繍が施された衣装に身を包んだ参加者らは、舞台に用意されたキャットウォークをさっそうと歩いた。

 主にイスラム法学者や熱心なイスラム教徒の前で行われた同大会では、その美貌だけではなく、コーランの暗唱の「上手さ」や現代社会を生きる上でのイスラム観が審査された。

 ジャカルタ市内のショッピングモールで開催された「ムスリマ・ワールド」と比べ、現在同国バリ島で開催されているミス・ワールドでは、参加者100人余りが優勝を競い合っているなど、大会規模の違いは一目瞭然だ。それでも優勝したアジボラさんは、自分の名前が呼ばれた瞬間、感極まって床にひざまずき、コーランを唱えて神に祈りを捧げた。

「優勝できたのは偉大なアラーのおかげです」とコメントしたアジボラさんには、賞金2500万ルピア(約22万円)と聖地メッカ(Mecca)およびインドへの旅券が贈られた。

 アジボラさんは決勝前に行われたAFPとの取材で、「(大会は)競争ではありません。世界にイスラムの美しさを伝えたいだけなのです」と述べていた。(c)AFP/Angela Dewan