【9月4日 Relaxnews】 落差世界一の滝、ほぼ手付かずのカリブ海に浮かぶ島々、海の絶景を望む密林――ベネズエラには観光客が見たいものすべてがある。にもかかわらずだ。観光客は来ていない――。

 かつて探検家クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が「地上の楽園」と称したこの国を訪れる観光客数は年間わずか70万人。ベネズエラのそのやや色あせたイメージも一因だが、世界最大の確認埋蔵量を誇る石油産業に力を入れた結果、観光部門はおざなりになっていた。ベネズエラ政府は今、観光客の誘致に躍起だ。

 しかし、同国のインフラは時代遅れで、ホテルや幹線道路、国内線、そのどれもが不足している。そしてベネズエラの南米一高い殺人率(10万人当たり約55件)を恐れる外国人は別の旅行先を選択する。

 そして解決すべきもう1つの重要な問題は、為替を政府がコントロールしているため、闇市場で米ドルの価値が急騰している点だ。

「公式の為替レートでは、並行レートでホテルやサービスの料金が計算されるため、外国人がベネズエラを観光する際、非常に高額になる」とベネズエラ旅行・観光業協会(Venezuelan Association of Travel and Tourism Agencies)のマリルーシー・ベルトラン(Marilucy Beltran)会長は説明する。

 しかし近隣諸国の成功例は、希望をもたらしている。 国連世界観光機関(UN World Tourism Organization、UNWTO)の統計によると、コロンビアには昨年、210万人の観光客が訪れ、また450万人がドミニカ共和国とその有名なリゾートに殺到した。ブラジルには560万人が訪れた。2011年、キューバは260万人の観光客に門戸を開いている。(c)Relaxnews/AFPBB News