【7月5日 AFP】パキスタンで昨年、女性の教育権を訴える活動を行っていた少女マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんと共にイスラム武装勢力に銃撃された女子生徒が、英政府から学生ビザ(査証)の発給を受け、先週末に渡英していたことが分かった。

 シャジア・ラムザン(Shazia Ramzan)さん(15)は6月30日夜、英イングランド中部バーミンガム(Birmingham)の空港に到着し、昨年10月9日の銃撃事件以来、離れ離れになっていたマララさんと喜びの再会を果たした。2人は共に、世界の教育問題に関する国連特使を務めるゴードン・ブラウン(Gordon Brown)前英首相の事務所の支援を受けている。

 世界中から非難を浴びたパキスタンのこの事件では、同国北西部のスワト渓谷(Swat Valley)で通学バスに乗っていたマララさんを、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」が至近距離で銃撃した。女子の教育権を訴えていたマララさんを狙った犯行だったが、シャジアさんを含む他の少女2人も巻き添えとなり、シャジアさんは首と肩を負傷した。

 頭部に重傷を負ったマララさんは、手術のために渡英。3月から、バーミンガムの学校に通学を始めていた。

 今回、シャジアさんも、ブラウン氏の「ア・ワールド・アット・スクール(A World At School)」など慈善団体からの奨学金やその他の支援を受け、英国で通学を開始できることになった。

 同団体が発表した声明の中でシャジアさんは「ここで勉強し、医者になることを目指すことができて、とても嬉しく思います。パキスタンにとどまって教育課程を終えたかったけれど、絶えず脅迫を受けていたので不可能でした」と語っている。(c)AFP