【5月29日 AFP】英単語の正しいつづりをどれだけ言えるかを競う大会「スクリップス・ナショナル・スペリング・ビー(Scripps National Spelling Bee)」が28日、開幕した。86回目となる本大会には、8か国から281人の児童が参加し、難解な英単語のスペルをいくつ正確に言えるかを競い合う。

 メディアグループ「スクリップス(Scripps)」の後援で開催されるこの大会は、米首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)近郊にあるゲイロード・ナショナル・リゾート・アンド・コンベンションセンター(Gaylord National Resort and Convention Center)で3日間にわたって行われる。ここ5年間の優勝者は全て、南アジア系の子どもたちだ。

 今年の出場者の大半は12~14歳だが、最年少はケンタッキー(Kentucky)州ルイビル(Louisville)に住む8歳のタラ・シン(Tara Singh)さん。学校でラテン語とギリシャ語を学び、自宅でヒンズー語を学んでいる。

 ルイビル・クーリエ・ジャーナル(Louisville Courier-Journal)紙に26日に掲載されたシンさんのプロフィールによると、映画『ハリー・ポッター(Harry Potter)』シリーズの大ファンだという3年生のシンさんは、好きな単語として「humuhumunukunukuapuaa」「tropomyosin」「hoomalimali」を挙げている。それぞれ、「ハワイ産の小さなモンガラカワハギ科の魚」「筋収縮を調節するタンパク質」「ご機嫌取り」を指す言葉だ。

 昨年の優勝者は、カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)在住のスニグダ・ナンディパティ(Snigdha Nandipati)さん。13回戦を勝ち残った後、フランス語由来の英単語「guetapens」(「待ち伏せ」の意)のスペルを正確に言い当て、賞金3万ドル(約300万円)を獲得した。

 なお、過去の大会で優勝を決めた単語のうち、1948年の「psychiatry」(精神医学)、1956年の「condominium」(コンドミニアム)、1970年の「croissant」(クロワッサン)などはその後、米国でよく使われる言葉になった。

 今年はバハマ、カナダ、中国、ガーナ、ジャマイカ、日本、韓国、そして米国の他、カリブ海と南太平洋の米領や、欧州にある米軍基地に暮らす子どもたちも出場している。(c)AFP