【5月28日 AFP】(写真追加、一部更新)米ニューヨーク(New York)で27日、市内で自転車を共有する「シェアリングプログラム」の運用が、当初計画の10か月遅れで始まった。こうしたプログラムは、仏パリ(Paris)やカナダ・モントリオール(Montreal)、英ロンドン(London)、スペイン・バルセロナ(Barcelona)などの各国の都市ですでに導入されている。

 ニューヨーク市内では、マンハッタン(Manhattan)からブルックリン(Brooklyn)までの各地区に設置した自転車ステーション333か所に、青い「シティバイク(Citi Bikes)」約6000台が配置された。計画の第1期では最終的に、600か所のステーションに1万台を置く予定だ。

 これまでのところ、年間パスの購入者は約1万4000人に上っている。年間103ドル(約1万円)で、1回あたり45分まで無料で自転車を利用できる。また6月2日からは、年間利用に加えて1日利用、週利用のプランも導入する。利用時間は30分から45分までで、それぞれに料金を設定するが、各国のプログラムと同様、いずれのプランでも利用時間の上限を超えると追加料金が発生する。

 全面的に運用が開始されれば、ニューヨークでの自転車シェアリングプログラムは世界第3位の規模となる。第1位は自転車6万台を備える中国・浙江(Zhejiang)省杭州(Hangzhou)、2位は2万台の仏パリ。

 また、独ベルリン(Berlin)、ハンブルク(Hamburg)、ミュンヘン(Munich)、米ボストン(Boston)、ワシントンD.C.(Washington, DC)、豪ブリスベーン(Brisbane)、メルボルン(Melbourne)、伊ミラノ(Milan)、スウェーデン・ストックホルム(Stockholm)、イスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)、メキシコ・メキシコ市(Mexico City)などが同様のプログラムを導入している。

■利用者の反応は上々、一方不満も

 この日午前8時30分ごろ、初めて「シティバイク」に乗ってユニオンスクエア(Union Square)に着いたソフトウエア・エンジニアのアレックス・ナッシュ(Alex Nash)さんは、計画に遅延はあったものの、プログラムが開始されたことを嬉しく思うと語った。

「(ステーションに)自転車を戻すのは少し難しかったよね・・・でも、良かったよ。すごく気に入っている」

 ナッシュさんはこれから、マンハッタンを移動する手段として毎日、自転車を利用したいという。

 シェアリングプログラムの導入によって、市内の交通パターンにはすでに変化が生じている。また市民の間からは、駐車スペースが減った、自転車ラックは見た目が良くない、といった不満の声も聞かれる。その他、忍耐力がないとされるニューヨーカーたちが同じ道路を自動車と自転車で共有するケースが増えることにより、危険が高まるとの議論も過熱している。(c)AFP/Brigitte Dusseau