【5月20日 Relaxnews】航空機内は「紙の本」の最後の砦(とりで)──豪カンタス航空(Qantas Airways)はこのたび、フライト時間内に読み終えることのできる「紙の本」のシリーズを発表した。

 この新たな試みについて、広告・マーケット専門の「AdAge.com」は、主にビジネストラベラーなど、同航空を頻繁に利用する人々をターゲットとしたもので、特にカンタスは先ごろ、中東最大手エミレーツ(Emirates)航空と提携関係と結んだこともあり、「洗練された」「プレミア」といったブランドイメージを高める意図があると指摘する。

「すべての旅のための物語(Stories for Every Journey)」と名付けられたこのシリーズ。仏出版大手アシェット(Hachette)と共同で制作され、「キンドル(Kindle)」や「ヌック(Nook)」のなどの電子書籍端末に慣れ親しんでいるデジタル派の乗客にも、良質な「紙の本」をパラパラとめくる魅力を再発見してもらいたいという。

 主な本のテーマはノンフィクションやスリラー、犯罪短編小説が中心となっており、これは同航空を頻繁に利用する男性のビジネストラベラーを念頭に置いたものだとされ、それぞれが各フライトの時間内に読み終えることができるよう書かれている。提携パートナーであるシドニー(Sydney)の広告代理店「Droga5」によると、(英語圏の人々は)1分間で平均200~300語、つまり1分1ページのペースで本を読むとされる。

 カバーデザインには、エコノミスト(Economist)、ソニー(Sony)プレイステーション(PlayStation)、ウォーターストーンズ(Waterstones)を手掛けたアートディレクターのポール・ベッドフォード(Paul Bedford)氏を起用。またエアラインが序文を手掛けているという。

 一方、米タイム(Time)誌も退屈なフライト時間のための、簡単に読むことのできる小説のリスト「空港の書籍(Airport books)」を発表している。(c)Relaxnews/AFPBB News