【5月8日 AFP】ロンドン(London)に拠点を置く子ども支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が7日発表した報告書によると、世界で「最も母親になるのに適さない国」はコンゴ民主共和国(旧ザイール)だった。

「世界の母親の現況」に関するこの報告書は、母親の健康状態、子供の死亡率、教育、女性の収入や社会的地位について176か国を比較している。過去14年間で初めて、サハラ砂漠以南のアフリカの国が下位10か国を独占した。一方、1位に輝いたのはフィンランドで、ほかの北欧諸国も上位に入った。

 報告書は、長年続いている紛争で傷ついたコンゴ民主共和国の女性や少女が、出産など母親であることが原因で死亡する確率は30分の1であるのに対し、フィンランドでは1万2200分の1だと指摘し、先進国と発展途上国の間に存在する母親の健康状態の「驚くべき不均衡」を是正するための投資と、不平等や栄養失調の解決に向けた取り組みが必要だと訴えている。

「母親や子供に投資することは、国の未来の繁栄に投資するのと同じことです」とセーブ・ザ・チルドレンのジャスミン・ウィットブレッド(Jasmine Whitbread)事務局長は話す。「もし女性が教育を受け、女性の声が政治に届き、母子ともに十分なケアを受けることができれば、彼女たちやその子供たちが生き延びて生き生きと暮らす可能性はずっと高まるでしょう。そうなれば社会も繁栄するはずです」

 コンゴに続き母親になるのに適さない国は、ソマリア、シエラレオネ、マリ、ニジェールの順だった。一方、上位にはフィンランドの次に、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、オランダが続いた。世界一の経済大国、米国は、スロベニアやリトアニアよりも悪い30位だった。(c)AFP