【4月17日 AFP】欧州連合(EU)域内で牛肉と表示されていた加工食品などに馬肉が混入していた問題で、欧州委員会は16日、域内で流通している製品について実施したDNA検査の結果を発表した。牛肉入りと表示されていた製品の約5%に馬肉が使用されていたとみられ、域内では偽装表示が横行していたことが明らかになったという。

 EU高官によると、域内で流通している4000件以上の製品を対象にここ数週間で実施した検査の結果、全体の4.55%にあたる193製品から馬のDNAが検出された。

 また、馬に使用される鎮痛剤で、人体に害を及ぼす可能性のあるフェニルブタゾン(別名「ビュート(bute)」)について実施した検査では、対象とした約3000の製品のうち、全体の0.51%にあたる16のサンプルで混入が確認された。最も多かったのは英国(14製品)で、そのほかアイルランドとチェコの製品1つずつから検出された。

 トニオ・ボルジ(Tonio Borg)欧州委員(保健・消費者政策担当)はこれらの結果を受け、「食品は域内最大の経済分野であることから、一連の偽装表示の発覚後、域内で流通する食品に対する消費者および取引相手の信頼と信用を回復することは域内経済にとって極めて重要だ」と述べた。(c)AFP