【2月17日 AFP】米食品医薬品局(US Food and Drug AdministrationFDA)は14日、米セカンド・サイト・メディカル・プロダクツ(Second Sight Medical Products)が開発した人工網膜システム「アーガスII(Argus II)」を認可した。

「バイオニック・アイ」とも呼ばれるこの装置は米カリフォルニア(California)州に本社を置く同社が開発したもので、網膜色素変性症というまれな遺伝性疾患が進行した成人患者に使うことができる初の移植用人工網膜。この病気の患者は徐々に視力が衰え、失明する恐れもある。

 FDAの説明によると、アーガスIIを使っても視力が完全に回復するわけではないが、周囲の明暗を感じ取ることができるため、自分の位置や、物や人の動きを察知することが容易になるという。

 アーガスIIは、小型カメラと送信機を搭載した眼鏡と映像処理装置、そして病気により衰えた網膜細胞の機能を代替する人工網膜から構成される。

 アーガスIIは欧州ではすでに複数の国で認可されているが米国では未承認だった。FDAは対象となる患者が年間4000人未満しかいない医療機器「人道的使用医療機器(Humanitarian Use DeviceHUD」としてアーガスIIを認可した。(c)AFP