【2月14日 AFP】オーストラリアで行われていた国際ゴルフ大会の予選トーナメントで、試合中に毒グモにかまれたスウェーデンの選手が、とっさの機転でゴルフボールを乗せるティーを使って体内から毒を出し、無事にプレーを終えた。

 スウェーデンゴルフ連盟(Swedish Golf Federation)のウェブサイトによると、キャンベラ(Canberra)で行われたISPSハンダ・オーストラリアン女子オープン(ISPS Handa Women's Australian Open)に出場していたダニエラ・ホルムキビスト(Daniela Holmqvist)選手(24)は、自分の膝と足首の間にセアカゴケグモがいるのを見つけ、その直後に左足首に鋭い痛みを感じた。

 足がみるみる膨れ上がるのを見たホルムキビスト選手は、医療機関の助けを求めるのではなく、自分のゴルフバッグからティーを取り出し、肌に突き刺して穴を開け、毒をできる限り絞り出した。

「透明な液体が出てきたわ。私がこれまでにやってきた中で一番かわいらしい行為だったとは言えないけど、毒をできるだけたくさん絞り出さなきゃいけなかったから」(ホルムキビスト選手)

 スウェーデンゴルフ連盟によると、第4ホールで毒グモにかまれたホルムキビスト選手は、医療スタッフに見守られながらプレーを続けて74で回ったが、惜しくも2打差で予選通過はならなかった。

 セアカゴケグモはオーストラリアで最も危険な毒グモ。豪メルボルン大学(University of Melbourne)によると、毎年250人がかまれて治療を受けているが、1955年に解毒剤ができてからは死者は1人も報告されていない。(c)AFP